近畿ブロック5都市によるオンライン意見交換会
『いま、市町村も変わるとき』
参加者 | 神戸市:齊藤千帆、帖佐ようこ、林 友美 京都市:大隅智沙、杉本 望、藤田達也、山本 凌 大阪市:西村加奈子、松本 堺 市:松阪、永渕(堺区) 名古屋市:荒木 敦、長坂那央 (敬称略/各市の出席者は五十音順) |
司 会 | NPO法人年金・福祉推進協議会 大 山 均 |
コメンテーター | NPO法人年金・福祉推進協議会 佐々木 満 |
主催 | 特定非営利活動法人 年金・福祉推進協議会 |
(神):神戸市 (京):京都市 (阪):大阪市 (堺):堺市 (名):名古屋市
国民年金業務で変わったこと
大山 NPO年金・福祉推進協議会の副理事長も務めております大山と申します。よろしくお願いいたします。
佐々木 NPO年金・福祉推進協議会の事務局長の佐々木でございます。皆さん、本日はご参加をありがとうございます。時間に限りはございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
大山 それでは各市の皆さん、順番にお名前をお願いします。
(神)林 神戸市の林と申します。よろしくお願いします。神戸市からは担当者が2人、一緒に参加させていただきます。
(神)齊藤 神戸市の年金担当の齊藤と申します。
(神)帖佐 同じく帖佐と申します。
(京)藤田 京都市の保険年金課担当課長の藤田です。京都市からは他に3人参加いたします。
(京)大隅 後期高齢者医療と年金担当の後期高齢医療係長の大隅です。
(京)山本 年金担当の山本です。
(京)杉本 年金担当の杉本です。
(阪)西村 大阪市の年金担当をしています、西村といいます。
(阪)松本 同じく大阪市の松本と申します。
(堺)松阪 堺市の医療年金課の松阪と申します。
(堺)永渕 堺区役所保険年金課年金係の永渕と申します。よろしくお願いします。
(名)荒木 名古屋市保険年金課で事務係長をしております荒木と申します。
(名)長坂 名古屋市保険年金課事務係年金担当の長坂と申します。
大山 ありがとうございます。では、早速本題に入っていきたいと思います。
国には標準化システムなどを要望
大山 事前に神戸市の林さんから全国都市国民年金協議会(以下、都市協)の資料をお送りいただきました。この都市協の要望書(※参考資料・後掲)の内容と、この度の座談会の趣旨が共通しているところがあるかと思います。せっかくなので神戸市の林さんから送っていただいた都市協の要望書を中心にお話を進めたいと思います。新型コロナウイルス感染症の拡大予防の観点から都市協の総会は開かれず、ペーパーで皆さんの合意を得たということですが、会長市であった神戸市さんから、どんな形でこういう要望書が出てきたかということを簡単にご説明いただけますか。最初の1、2の要望は、毎年必ず出てくるようなものだと思うのですが。
(神)林 今年の要望書については、たとえば1であれば、新たに、テレビ電話を活用した遠隔相談を導入してほしいという要望を入れています。これについては、以前、年金事務所の広報誌に、日本年金機構が全国で3カ所、佐渡・五島・壱岐の離島に、遠隔相談用のテレビ電話を設置したという記事が掲載されていたのですが、この環境を離島対策としてだけではなく、全国の希望する自治体にもつくっていただき、市町村と年金事務所を行き来することなく相談ができるようにしてほしいという要望になっています。たとえば、年金受給者が亡くなったときの未支給請求などでは必ず遺族は、市町村と年金事務所の間を行き来することになりますが、その遠隔相談の環境があれば、市町村に1回足を運ぶだけで、あとは郵送請求で済むケースが多いのではないかと思います。
2は「標準化システム」についての要望です。年金に限らず自治体の17の業務システムの標準化について、国主導で今後進めていく中で、国は、市町村の意見・要望をよく聞いていただいたうえで仕様書を作成してほしいという要望内容になっています。
また、例年にはなかったものとして、20歳の適用において本人届出が不要になったことと同様に、2号喪失者の適用についても本人届出をなくして職権で処理をしてほしいという要望を追加しています。
今年の要望書について特に取り上げるとすれば、このような点だと思います。
大山 ありがとうございます。当初、こちらで考えていたテーマに、いわゆる法定受託事務の問題がありますが、毎回、都市協では、国民年金事務を日本年金機構へ一元化したほうがいいのではないかという意見が必ず出るかと思います。最初に、このことについてのご意見をそれぞれの市のご担当の皆さまから伺いたいと思います。
(神)林 年金事務の一元化の意見を聞く前に、例年、政令市会議や今回のような関西の近隣5都市の会議が開催されていたのですが、ここ2年は開催されていなくて、皆さんとの顔合わせも実は今日が初めてです。ですから、できれば各市の近況なども含めて、変化があったことなどをお聞きしたのですが。
大山 了解しました。私は既に5つの市の方と全て意見交換が済んでいるのかと思っておりましたが、そうではないのですね。ちょうどよかったです。では、堺市さんからお願いできますか。今、林さんのお話にありましたように、自分たちが抱えている仕事の状況についてお話しいただけますか。
(堺)松阪 私は令和2年度から年金の業務に配属になりました。異動になった時点でもう新型コロナウイルスの感染拡大の状況にあり、通常であれば研修などがあったかと思うのですが、研修もない状況で業務を覚えていかなければならず、苦労をしておりました。また、職員数も減少されているような状況で、職員の事務継承が課題となっています。
各区の窓口では、新型コロナウイルスの影響で、対面ではなく郵便での対応を積極的に取り入れている状況です。また、年金事務所とも密に連絡を取り合って、いろいろな問題解決に取り組んでいっている次第です。
業務の分からない部分については皆さんにいろいろと教えてもらいながら、事務を前に進めていっているような状況であります。
大山 ありがとうございます。続いて大阪市さん、今の国民年金事務の状況や現状についてお話しいただけますか。
(阪)西村 私も昨年の7月から年金の担当になり、やっと、丸1年たったところです。昨年はコロナ禍ということもあり、特例免除などの仕組みも新たに導入されるなど、そもそもの免除も勉強しながら新しいことも覚えて、と苦労しました。また、今年も情報連携の仕組みなど、大きく変更されました。年金制度は、制度改正が頻.にあるので、積み上げていくのは大変な印象です。
大山 ありがとうございました。続いて京都市さん、お願いします。
(京)藤田 私は去年4月にこちらに参りました。それまでは区役所で課長をして、その現場の状況などを見てきたのですが、マイナンバーが本格的に普及するようになり、継続免除などの手続きも比較的スムーズにできるようになりました。市民との窓口業務はかなり改善してきていると思います。
一方で、障害年金のことで来られる方がコロナ禍においても多くいらっしゃいます。コロナウイルスの感染拡大予防という観点からは、対面ではない対応は望まれているわけですが、障害年金に関しては難しいというジレンマを抱えています。障害年金の窓口についても、市町村で対応するのではなく、年金機構のほうで一元的に管理していただけるような形になると、われわれとしても、住民の方にとってもいいのではないかと思っているところです。
大山 ありがとうございます。ちょうど今、「障害年金事務の窓口の一元化」についても、今回の要望書の2番目に出ているところですね。了解しました。続きまして、名古屋市さん、お願いします。
(名)荒木 私は昨年度から事務係長に就任いたしました。年金事務につきましては昨年度から担当しております。事務係長として、年金だけでなく、主に国保の予算決算などの国保関係の事務などもしております。年金については担当が2人いるのですが、ほとんど2人に任せている状態です。
私の年金の経験をお話ししますと、20年前の平成7年から平成11年まで、区役所で年金事務を担当しておりました。そのときと比べての話で恐縮ですが、年金事務は、大幅に減っているなと感じています。事業自体が減ったのに併せて職員数も減らされているんですが、区役所ではある程度の人数がいて、問題なく回っています。むしろ私ども本庁のほうが、2人だけしかいないものですから、ノウハウの継承といった点で苦労している状況です。
大山 今のお話で、20年前というと平成7年から平成11年と、まだ国の直接執行事務が位置付けられていなかった時代ですね。ちょうど時期としては地方分権の前ですね。そういう意味で、当時は事務量が多かった、仕事の量が多かったということになるのでしょうか。
(名)荒木 そうですね。かなり多かったと記憶しております。
大山 なるほど、ありがとうございます。神戸市さんに戻ります。林さん、今、他の市の方のお話を伺えたと思いますが、いかがですか。今度は神戸市さんの現況をご紹介いただければありがたいのですけれども。
(神)林 では、せっかくですから担当者から現況を説明してもらいます。
(神)齊藤 私は年金事務に関わるようになってから今年度で4年目です。この4年で、本当に大きく変わったと思います。今まで皆さまからお話があったように、やはり情報連携が令和元年10月から始まったことが大きく、年金機構のほうでも個人の所得などの情報を取れるようになったことで、区役所に回ってくる免除申請書の量も半分くらいに減りました。ここ4年という本当に短い期間で、事務量がどんどん減っていると実感しています。
(神)林 事務量が減ったというか、市町村の役割が減ったというか。その分、年金事務所とやりとりをする機会もかなり減りました。市町村から所得情報を提供する必要がなくなって、日本年金機構としても市町村にお願いすることも、なくなりました。それが、情報連携が始まったことによって、特に変わった点です。このことは、市町村にとっても良いことだと思います。日本年金機構が自立して事務を行えるということは、市町村が望む国民年金事務の国での一元化、日本年金機構での一元化に近づいているということだと思います。
ただ、自治体としては、少しだけ事務が残ることになると、かえって困るところがあって、国や機構で年金事務を実施するのであれば、完全に自治体事務はなくしてほしいと思っています。先ほど障害年金の話もありましたが、件数や量は減ったけれど、知識が必要な事務が残されてしまうと、人材育成や体制を維持していくには、自治体にとっては、もっと負担になります。自治体の人事異動では、年金の専門職を配置することはできない状況ですから、そういった中で、障害年金のような業務を継続していくには厳しい現状があります。
地方分権一括法施行後は、国民年金事務の国への一元化という要望が、政令市会議からも、全国都市協からも、あがっていますが、実現するには難しい要望でした。国からは「住民にとって身近な窓口は市町村だから」といわれて、本気にしてもらえなかったわけですが、機構における情報連携が開始され、新型コロナウイルス感染症の影響で、年金関係でも、本人手続きの省略や、郵送申請などがどんどん進められています。令和4年度末までに免除申請の電子申請も導入されますし、身近な窓口が市町村ではなくなってきているのではないかと思います。徐々に、市町村がそういう役割をしなくてもよくなってきているという意味で、事務の一元化の実現に向かっていると思っています。
大山 国民年金事務の一元化について、事務局長の佐々木からも意見を言わせていただきたいということです。
佐々木 地方分権で、なぜ市町村にその法定事務を残したかというそもそも論を考えれば、住民の皆さんの利便性を考慮した結果ではないでしょうか。年金事務所は300ちょっとですが、市町村は、市だけでも780市ぐらい、市町村あわせてだいたい1,500ぐらいあります。支所などを入れれば、3,400か所の窓口がありますから、一元化といっても簡単ではないわけです。一元化に対してはさまざま言われていますが、住民へのサービスの維持をどのように考えればいいのでしょうね。すべてが国に行ってしまうと、年金事務所が窓口になってしまって、市町村には住民が来られなくなる。それでは住民の方々は困ってしまうのではないか、と。だから法定事務を残したのではないかと、私は地方分権の経緯からして考えているのですが、皆さま方はその辺りをどのようにお思いでしょうか。
大山 では、先ほどの順序で、堺市さんからよろしいですか。今のお話にご意見があれば。いかがでしょうか。
(堺)松阪 堺市には区役所が7か所ありますので、市民にとっては区役所の窓口へ行って手続きをするということが便利だと思います。また、年金事務所が、堺区役所も併設されている堺市役所本庁の並びにありますので、市民の方にとっては、戸籍や住民票が取りやすく便利であると思います。
(堺)永渕 堺区役所は本庁の中にあるのですが、堺区役所と堺東の年金事務所を間違えて、督促の通知などをもって窓口に来られる方も多数いらっしゃいます。その中で必ず言われるのが、年金事務所は電話がつながらない、ということです。
堺区は、2軒隣が年金事務所なので案内しやすいのですが、離れた区役所から堺東年金事務所をご案内することは、市民サービスを考えたら迷うことがあります。戸籍や住民票は区役所、市役所の扱いになるとは理解しているのですけれども、堺区役所から年金事務所へ案内した人も、区役所ができることは年金事務所で必ずできるはずなのですが、戻されることも多いです。市民の利便性を考えると、年金事務所の電話回線を増やすことももちろんそうですし、処理をできる限り迅速に行っていただけたらと思います。年金事務所も人事異動が激しくて、スキルの低下が否めないとは思うのですけれども、市町村からの問い合わせ時間の短縮にもご協力いただきたいです。
神戸市さんの要望書に挙げていただいているとおり、障害基礎年金などの一元化は本当にお願いしたいところです。佐々木さんが言われるように、市町村のサービスが低下しないようにということならば、分所でもいいので年金事務所の数を増やしてもらいたいです。
佐々木 先ほど申し上げたとおり、市町村の窓口の数と、年金事務所の数が桁違いに違うという現実を踏まえると、住民のためにはどんなふうに考えればいいのでしょうね。
(堺)永渕 住民の方から必ず出される意見が、年金事務所の回線が少なく問い合わせがつながらないということです。少なくとも、このことについてはすぐに対応していただきたいところです。受給者のお話など市では対応できないことも多いですから。 区役所が担わなければいけない部分は重々理解しているのですけれども、障害基礎年金については、林さんがおっしゃっているように、かなり専門知識が要求されます。わからないことは日本年金機構のヘルプデスクに聞きながらやっていますが、はっきりしたお答えがいただけないところもあるので、障害基礎年金についての一元化は大賛成です。
大山 ありがとうございます。続きまして大阪市さん、いかがでしょうか。利便性ということを考えると、やはり市町村が住民にとって一番身近な窓口になるんじゃないか、という佐々木事務局長の意見についてはどのようにお考えですか。
(阪)西村 大阪市は24区あるので、住民の方に一番近い窓口といったら、やはり年金事務所ではなく区役所になるとは思います。しかし、今回要望しているように、テレビ電話を使った遠隔相談などが、離島だけでなく、各市区町村でもできるようになれば、市区町村でできる手続きが増えるなど、身近な窓口のまま年金事務所の事務がやっていけるのではないかと思います。
(京)山本 堺市さんと大阪市さんのお話と重なってしまいますが、一元化によって市町村がすべて引き払うだけというのは、現実的ではないと思います。市民の方が相談できる窓口が少ないですから。京都市の場合は、同じ京都市内に年金事務所がありますが、そうでない市町村もたくさんあります。ですから、やはり遠隔でも相談ができる体制をつくっていくことが大事かと思います。
それから、窓口に来て相談しなければならない、直接窓口へ届出を出さなければいけない、ということがどんどん減ってきていますし、市町村自体もどんどん人が削られて余裕がなくなっていく中で、新しい在り方を考えていくときではないかと思います。各届出の省力化、力をかけずに受けられる仕組みを作りつつ、かつ、一元化を行うと、市民の方にとっては相談窓口が遠くなるデメリットはありますが、逆に年金のことは全部年金事務所に聞けばいいんだと、相談窓口が分かりやすくなるというメリットもあります。単純に一元化します、だけではなくて、いろいろとフォローも考えたうえで行っていかないといけないと思います。
大山 ありがとうございます。最後に名古屋市さん、いかがでしょうか。
(名)荒木 住民サービスという意味ではやはり市区町村に年金の窓口があったほうがいいとは思いますが、私は、従事する職員が必ずしも市区町村の職員である必要性を感じておりません。
たとえばテレビ相談窓口などを年金事務所の出張所として各市区町村の窓口に設置して、届出も申請も電子申請などを使ってできるような体制を整えれば、一元化は可能ではないかと思っております。
大山 さて、林さん、どうでしょう。各市の皆さんからいろいろとご意見が出ましたが。
(神)林 佐々木さんがおっしゃったことは、新型コロナウイルスのことがなければ、われわれとしても住民サービスの低下をとても気にしていたところでした。
ただ、コロナをきっかけにして、来庁しなくてもどうすれば手続きできるか、あるいは本来いらない手続きだったのではないかということを、あらためて見直さなければならなくなって、われわれは「行政手続きのスマート化」と言っていますが、本人届出を省略したり、簡素化する方向で進められています。これは年金に限らずで、行政手続きすべてが、その方向へシフトしています。やめられることはやめる。どうしても必要な手続きであれば、その方法を考えるというものです。
単に、事務を国へ一元化してほしいと要望するのではなく、一元化することで、市民のためにどんなサービスが追加できるかを考えたうえで、その方法とあわせて一元化を要望しなければいけないと思っています。
今なら、別の方法を市民に提供できるのではと考えています。市民が窓口に来庁したとしても、必ずしも自治体が受付を行わなくてもいいわけです。そうした発想が今回の要望書の「遠隔相談」につながっています。さすがに、今回のウェブ会議のようなものを、市民の相談業務に導入するのは少々無理があるとは思いますが。
神戸市では、年金機構が離島対策で導入した遠隔相談用のTV電話のデモ機を借りて使ってみました。驚くほど、窓口相談と大差はありませんでした。画像も鮮明ですし、手元の書類も付いているカメラで映すこともできます。今、市町村窓口でも、コロナ対策のアクリル板やシート的なものを使っているので、相談業務はしづらい状況です。テレビ電話での遠隔相談と窓口相談の違いは、書類の受け渡しができないという点だと思います。
高齢者や障がい者もおられるので、市民だけでというのは難しいかもしれませんが、自治体の担当者がサポートで市民に付いてあげて、一緒に年金事務所とテレビ電話でやりとりをすることもできます。サポートする人がいれば十分可能な相談環境ではないでしょうか。サポートする役割であれば、正規職員にこだわらずとも会計年度任用職員や派遣職員にお願いすることも可能ではないかと思います。
佐々木さんがおっしゃっていることはもっともで、われわれも決して住民サービスの低下は望んでいないし、下げてはいけないと思っています。むしろ、新しい道具や機器を使って、やり方を変えることで、住民サービスの向上が図れるのではないかと思っています。
そのためにも、「手続きが、いるか、いらないか、どうやるか」の検討が必要で、自治体では今、職員の意識改革を行いながら、いっきに業務改革を進めている状況にあります。
というものの、われわれとしても実際に実現してみて「ほら、便利になったでしょ」ということが市民に証明できないと、なかなか分かっていただけないところもあると思いますが、そういう努力をしているところです。
佐々木 最後に一つだけ。私自身は行政の立場でも日本年金機構の立場でも意見を申し上げているのではなくて、あくまでも住民サービスの低下を招かないという観点で、皆さま方に知恵を出していただいて、厚生労働省や日本年金機構に具体的なご提案をいただきたいと考えています。今、林さんがいくつかおっしゃったとおりです。そのきっかけがコロナであることは間違いないと思います。押印廃止の話も似たようなものですよね。
ですから、地方分権は平成の半ばのことですから、もう時代に合わせて変わっていいんです。変わるきっかけがコロナだったら、言うことはないのではないかと思うので、ぜひ皆さま方には、サービスの低下を招かないという観点で、具体的にこんなことをしたらどうだろうという提案をしていただければ、今の時期なら、厚生労働省も日本年金機構もそれほど前例踏襲をしないで柔軟に解決するような環境にあるのではないかと思います。ぜひ皆さま方には頑張っていただきたいと思います。私どもNPO法人年金・福祉推進協議会も、そういうことには微力ながら応援したいと思っています。
大山 テーマを絞らないでお話をするということで、皆さまから一通りお話を伺いましたが、ここでそれぞれの市に対して質問があれば市同士でお話いただきたいと思います。いかがでしょうか。あるいは、堺市さん、大阪市さん、京都市さん、名古屋市さんから、神戸市さんにこういうことを聞いてみたいとか、逆に神戸市の若い方から他の市にこういうことを聞いてみたいことなどございませんか。遠慮なく意見交換を願いします。
(京)大隅 私はこの4月からこの業務に携わるようになり、まだ半年なので、勉強しながらの毎日です。今日は貴重な機会を頂きありがとうございました。
昨年からずっとコロナ禍の状況で、窓口への来訪をできるだけしないようにするという取り組みがもうある程度されるようになってから、私もこの業務に携わっている状態です。年金事務所との連携についても、去年からあまりできなくなってきました。
先ほど堺市さんのお話の中に、年金事務所と密に連携を取り合って情報交換されているというお話がありましたが、具体的にはどのように連携を取り、情報交換をされているのか、ぜひ教えていただけたらと思います。京都市では、いつもは月に1回くらい集まって情報交換をしていましたが、今月から、オンラインでのやり取りもやってみようかという話題が出ています。皆様の市の情報をぜひ教えていただけるとありがたいです。
(堺)松阪 本市では年金事務所とは、電子メールでのやりとりなどが一切できていない状況です。年金事務所が新たに得た情報を、こちらには紙の書類で届けていただいています。
定期的に情報が提供されるのではなく、新しい情報があればその都度、教えていただいています。本市への依頼についても年金事務所独自で書面を作られているのかもしれませんが、紙文書をいただくなど、随時窓口に来ていただいています。
年金事務所で対外的にインターネットが使えれば電子メールでのやりとりができると思いますが、現在はネット環境が構築されていないと聞いています。年金事務所にネット環境が構築されていたら、もっと連絡が取りやすいのかなという思いはあります。今は、このような方法で情報共有を行っています。
(京)山本 緊急事態宣言が出ているときは、打ち合わせ自体をやめておきましょうということで、機会自体を持てなくなってしまって、関係が希薄になってしまっているかなという懸念があったりもしました。
緊急事態宣言が出ていないようなときだけ「打ち合わせしましょうか」といった形になってしまっていましたので、今回は問題意識を持って聞かせていただきました。
(堺)松阪 堺市も回数はそれほど多くないのですが、当課に来ていただき対面で情報のやりとりも行っています。
大山 ほかにご質問がありましたら遠慮なく。名古屋市さん、どうぞ。
(名)荒木 「ねんきんネット可搬型窓口装置」と、「年金相談用可搬型窓口装置」は、名古屋市はまだ導入していないのですが、導入していらっしゃる市があれば、そのメリットやデメリットを教えていただければありがたいと思っております。
(神)林 皆さん、導入されていないんですか。
(名)荒木 名古屋市はしていないです。
(神)林 前のねんきんネットも導入されていませんでしたか。
(名)荒木 前のねんきんネットは導入していたのですが、可搬型窓口装置は導入していません。
(神)林 他の市ではどうですか。
(堺)松阪 堺市も導入しておりません。
(京)山本 京都市は入れています。
(神)林 神戸市では「ねんきんネット可搬型窓口装置(WM)」を入れています。これは、窓口対応を急ぐ場合は役に立たなくて、電話で年金事務所に聞いたほうが早いです。時間があって、何かのリスト確認をしたいとか、事後で何か調べたいという場合には、年金機構の状態がリアルで分かりますから便利です。
日本年金機構が装置をすべて貸し出してくれますし、回線費用もかかりません。前のねんきんネットは回線費用がかかったし、市でパソコンを買わないといけませんでしたが、ウインドマシンは貸し出しですから便利です。ただ、毎月1回、機構へ利用状況の報告書を提出しないといけませんが。
特に便利なのは、マイナンバーで基礎年金番号の検索ができるところです。市町村では住民のマイナンバーは把握できていますから、氏名や生年月日で本人の年金番号を年金事務所に確認する手間がかかりません。その点でも、置いたほうがいいと思います。
(堺)松阪 ちなみにそれは各区に導入されているのでしょうか。
(神)林 区に1台ずつ入れています。もともとねんきんネットも1台ずつ置いていたので、それが可搬型に変わったということです。区の職員も普段から使い慣れています。ただ、日ごろ使っていないと時間がかかるんですよね、窓口相談でパッと出てこないというか。常に稼働しているのであれば問題ありませんが、使わずに時間を置いてしまうと、次に起動するのに時間がかかるから、イライラしているお客さんを待たせているのなら電話を使ってしまうということはあります。でも、置いたほうがいいと思います。
(堺)松阪 堺市の場合、以前、年金事務所のほうから「導入できても1台ぐらいかな」というお話がありました。
(神)林 政令市なのに、市で1台ですか。でも、急に言ってもすぐには置いてくれないのかもしれないですね。
(堺)松阪 つい先日も改めて照会があったのですが、1台だけでは意味がないとの理由で導入しませんでした。
(神)林 市に1台なら駄目ですね。区に1台置かないと。
(名)荒木 神戸市さんが今おっしゃった装置は、「ねんきんネット可搬型窓口装置」のことなのか、「年金相談用可搬型窓口装置」のことなのか、どちらでしょうか。
(神)帖佐 区役所に置いているのは「ねんきんネット可搬型窓口装置(WM)」です。見た目は同じですが、アカウントが変わるので、たぶん契約の形が違うと思います。
(神)林 「ねんきんネット可搬型窓口装置(WM)」は閲覧できる画面に制限をつけられるはずです。
(神)帖佐 神戸市の区役所においても閲覧できる画面を制限しています。
(神)林 区役所は「ねんきんネット可搬型窓口装置(WM)」で、法定受託事務に限定した利用にしています。神戸市の区役所には、年金だけでなく国民健康保険などの業務を兼務している職員がいます。そのため、神戸市では国民年金の法定受託事務に必要な画面に閲覧制限をかけています。国民年金専任職員だけが使うのであれば、本当は制限なしで見られるほう便利だと思います。
(名)荒木 ありがとうございました。
大山 他に何かありましたらどうぞ。
(堺)永渕 スキルの平準化については基礎知識の習得であったり、市は年金事務所と違って専任ではなく人事異動で来るわけですから、林さんのようにずっと流れが分かっていらっしゃる方にはとても頼ってしまいますし、知識が豊富なので、意見を持っていらっしゃって心強いです。
このような座談会の場を設けていただいて、私のように区役所として参加できて光栄に思っています。5都市で集まられても、温度差であったり、知識の差は明確に見えると思うのです。
神戸市には、年金事務所にも詳しい方がいらっしゃるのでしょうか。
(神)林 たとえば神戸市内には4つの年金事務所がありますが、4人の国民年金課長の知識や経験レベルが同じはずはありませんが、その中の1人でも2人でも、社会保険庁時代からの国民年金事務を知っているような課長がおられると心強いのは確かです。でも、特に問題が起きて調整や協議が必要なときは、こちらが言っていることを理解してくれる(だろう)人と話をするようにしています。
(堺)永渕 それには従事年数が必要ですよね。
(神)林 採用されたばかりの担当者に「10年前はこうしていた」と言っても意味のないことです。たとえば、先ほど担当者が「ここ4年ですごく変わった」と言いましたが、収納事務が国へ移管された平成14年のときは、もっと市町村事務は変わりました。でも、そのときの変わり方と、この4年の変わり方を比較する必要はまったくなくて、今の担当者には、今の市町村における年金行政に必要な考え方だけをしっかり身につけてもらいたいと思っています。自分の考えをもったうえで、わからないことがあれば年金事務所に確認の電話を入れる。「Aですか、Bですか」ではなく「○○だから、Aですよね」という、念のための確認電話ができるようになってほしいと思います。
話は変わりますが、日本年金機構は思っていた以上に改革が進んでいることをご存じですか。日本年金機構になってから10年が経過して、マニュアルの作成とか、さまざまな処理の仕方とかで。この10年で非常に驚くべき進化をしています。自治体においてもスマート化を進めるうえで、見習うところがたくさんあります。今は自治体のほうがかなり遅れていますから。日本年金機構では、まず組織改革、スリム化、それから業務改革、事務改善と着手してきています。一度、事務センターや事務所での処理などを見せてもらってください。あっと驚くような、知らなかったことがたくさんあります。設立当初の日本年金機構とはかなり違っていて、参考になることも多いと思います。
(堺)永渕 それは事務センターのレベルということですか。
(神)林 たぶん、提出された届書は、職員であれば、閲覧できると思いますが。
(堺)永渕 でも、電話に出た人がシステムを見られなかったり、画像を展開できない方もいます。
(神)林 たぶん、導入されて間もなくて、操作が分からなかったんだと思います。
(堺)永渕 そうですね。
(神)林 免除申請書はどうですか。
(堺)永渕 免除申請書も人によって時間がかかりますが、それ以外の届書関係でとても時間がかかります。
(神)林 受けた書類はそのまま、受け付けたところで保管されていると思いますが。
(堺)永渕 「封も開けずに、広域事務センターに回します」って言われました。
(神)林 一部、いまでも回送しているものがあるのかもしれないですね。
(堺)永渕 そうですね。年金事務所によっても違うかもしれないですし。
(神)林 ペーパーレスというのは、集約するときにはすごくいいことですよね。
(堺)永渕 紛失等のリスクもないですよね。
(神)林 書類を動かすのに時間がかかるでしょう。「集約した意味がない。かえって不便になった」と思うこともあります。不備があったときに書類が現場に戻されたりしますが、それも、戻す必要がないんですよ。
年金事務所は今、本人のところに不備の書類を戻すときに、出された書類そのものは返しません。画像化しているから、それを出力して、いわゆるコピーを本人のところに返します。「ここを赤字で書き加えてください」とか「直してください」ということになったとき、もともと本人から出された原本は手元に保管されているし、画像も残っています。進捗がすぐに分かりますしね。今、どこでどんな処理が行われているかは、全国の事務所で分かります。ですから、今、県や事務所という線引きがなくなっており、市民が行った先で去年のことにもすぐ対応してくれます。「去年はこんな書類を出していましたね」ということが分かります。そういう意味で、日本年金機構は進んでいます。ぜひとも皆さん、参考にしていただいたらと思います。
大山 ありがとうございました。さすがにベテランならではのコメントですばらしいですね。よくご存じですね。
(神)林 日本年金機構は組織改革や業務改革をどんどん進めていて、神戸市は日本年金機構に比べたら5年以上遅れていますので、見習ったらいいことは、日本年金機構からどんどん吸収したいと思います。
大山 私も普段は年金図書の編集をしています。六法や法律とか法令などの机上の知識を参考にさまざまな原稿を作るのですけれども、どうしても実務的に分からないところがあると、必ず林さんにメールや電話で聞くんです。そうすると回答が得られるということがよくあります。毎年何かしらを必ず質問して答えていただいているので、林さんは非常に頼りがいがあると感じているところです。
佐々木 たびたび顔を出してすみません。日本年金機構が泣いて喜ぶようなご発言が林さんからありましたが、もともとは日本年金機構とNPO法人年金・福祉推進協議会にパイプがありますのでお伝えしたいと思います。
以前は年金事務所にも、日本年金機構本部にも取材をしていましたが、コロナ禍で今は直接伺えないのが現実です。ぜひ、コロナが落ち着いたときには日本年金機構のいいところ、コマーシャルしたいところを取材したうえで、『Web年金広報』で発信しますので、皆さま方にも見ていただければと思いますし、お伺いする際に「こんな要望も伝えてほしい」というようなことがあれば、私どももそれを踏まえていろいろと皆さま方の声の代弁をしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
それからもう一つだけ。私どもで作成している『国民年金実務担当者ハンドブック』は、本日司会をしております私どものNPO法人年金・福祉推進協議会の副理事長である大山さんが作っています。そもそもあの本は、皆さま方の市町村長が会員であった社団法人日本国民年金協会で作った本です。作った当初は、7つの市町村の国民年金の担当者のご意見をいただいて作りました。人事異動で来られた1年に満たない担当の方でも6割・7割ぐらいが答えられるような相談のハンドブックになればという思いでした。それでも分からないことは年金事務所に聞けばいいというような趣旨で作ったものです。
大山 他に、この際ですので、ぜひ質問したいということがあれば。
(神)林 私も、他都市ではこうやっているとか、特に近隣の政令市ではこうやっているという情報収集ができるから、例年、5都市の会議での意見交換、情報交換はすごく役に立っています。
(神)齊藤 では、神戸市から皆さんに質問させていただきます。この1、2年で書面ではありましたが、標準化システムに関する政令指定都市会議や5都市会議が開催されました。その議題として「標準化システムに向けた取り組みについて」ということが上がっています。
ぜひ皆さまに聞きたいのですが、現行の国民年金システムで、この標準化システムでも盛り込みたいと思っている機能とか、「それぞれの市で使用されている国民年金システムはここが強みだ」というものがあれば、教えていただけないでしょうか。直近でしたら、政令指定都市会議の横浜市さんが提出されていた議題に、「標準化システムに盛り込みたい国民年金の機能」を上げていただきました。ぜひ皆さまの生の声で聞かせてください。
大山 「標準化システム」を簡単に説明していただけるとありがたいのですけれども。堺市さん、どうでしょう。
(堺)松阪 堺市でも、年金についての仕様書が来年の夏になるという話を聞いて、どういうものが上がってくるのか興味を持っているところです。
(阪)西村 大阪市もまだ、仕様書にどういうものが実装されてくるのか分からないため、追加機能等については図りかねているところです。
大山 京都市さんはいかがですか。
(京)山本 京都市のシステムの強みというより、逆に弱みになるかもしれないのですが、最近、神戸市さんでは20歳到達者の入力自動処理化をやっていらっしゃると思います。たぶんAI OCRとかRPAを使ってデータ化して取り込むということをしていらっしゃると思います。京都市でも同じことをしたいと思っていろいろと考えていますが、なかなか難しい状況です。
(神)林 ぜひ皆さん、やってください。帖佐が担当しています。
(京)山本 やりたいのは山々なのですが、今の京都市のシステムではCSVの取り込み処理を作るのが難しいので、標準化システムができたときには、そういうものが簡単にできるような仕組みだといいなと切実に思っています。
(神)林 今は、皆さんは、対象者のリストを見ながら、1件ずつ入力処理をしているんですよね。
(神)帖佐 日本年金機構から送られてくる20歳到達者のリストから、帳票OCRというソフトで、マイナンバーと基礎年金番号、生年月日の3情報をデータとして抜き出して、それを住基と突合させて、一致するものについて、誕生日前日の20歳到達の日に自動的に年金システムに登録されるようにシステム改修を行いました。神戸市では20歳になる方が1カ月に1,000件くらいありますが、毎日手入力していたのが自動的にマスター作成されるようになったので、その分、事務作業が削減されて非常によくなりました。ぜひやってみてください。
(京)山本 神戸市さんは、今後、申請書でもAI OCR化を進める予定はありますか。たとえば資格取得の届出書の内容をAI OCRでデータ化するとか。
(神)林 今後、神戸市で進めたいことは、まず、現在、資格取得の届出があるのは、2号や3号の資格を喪失した人とか、外国から帰国・入国した人、あとは適用漏れのケースでしょうか。20歳到達者を除くと残っている加入手続きはこれくらいです。
2号、3号からの移行者は、資格取得の届出の50%以上を占めていて、今回の全国都市協議会の要望書に入れているように、この対象者は、事業主が機構に「資格喪失手続き」をした際に、1号への処理を職権でしていただくことで、本人からの市町村への届出は不要にできると思います。処理のAI OCR化もしたいですが、まずは本人届出を不要にしてほしいと思います。
免除申請については、令和4年度末までに電子申請ができるようにすると国は言っています。そうすると、たぶん市町村経由にはならないから、個人から直接、日本年金機構へ手続きするようになるはずです。
20歳到達者に関しては、専用のソフトを購入すれば、神戸市と同じ処理ができると思います。プログラムを組む必要がありますが、そんなに難しいプログラムではないと思いますが。
(京)大隅 それが今の京都市のシステムではできないんです。
(京)山本 京都市はAI OCRでCSVデータを作るところまでは行けそうなのですが、その後の基幹システムの取り込み処理ができません。標準化システムではそういったことが当たり前のような仕様であってほしいと期待しています。
(阪)西村 大阪市では、今から標準化までの間にシステム改修をしたいといっても、「現段階で費用をかけて改修することはやめてほしい。標準化システムへの移行の際に検討してほしい。」とシステム統括課より言われています。神戸市さんでは、厚生労働省のヒアリング等があったそうですが、今お話しされているような20歳到達者の自動登録についても実装するよう要望いただいたのでしょうか。
(神)林 しました。これから国において、標準化システムにかかる研究会や分科会が開催されて、今年度末には仕様書案が示される予定になっています。厚生労働省には自治体の意見をもっとプッシュしていかないといけないと思っています。
(阪)西村 分かりました。ありがとうございます。
(神)林 政令市会議における議題の回答を見る限り、皆さんからは、審査する機能や判定が分かる機能の画面がほしいという意見が多かったようです。さらに、障害年金の受付や相談記録を残す機能についての要望が複数の市から出ていました。
参考までに、あらためて、現行のシステム機能にはなくても、是非こういうものがほしい、という機能があったら聞かせてください。こんな画面が標準化システムにあるほうがいいとか、自前では構築できていないけれども標準化システムにはほしい、というものがあれば。
名古屋市さんはいろいろとご意見を書かれていたと思いますが、どうでしょう。
(名)荒木 名古屋市のシステムは、地方分権化前の平成11年に稼働しています。地方分権化前でしたので収納業務が整えられているという強みがありました。ところが、地方分権化によって収納業務がなくなりましたので、今となってはそれが弱みになっています。非常に無駄な機能がたくさんあるという状態です。
システム機能については、担当の主事がいますので、代わります。
(名)長坂 先ほど林さんがおっしゃっていた中にあるのですが、名古屋市も障害年金の相談状況をすべて紙で管理しています。区ごとに紙で管理しているので、システムに手入力している区もあってまちまちです。今は紙をコピーして送るとか、電話で聞くとか、そういった原始的な方法でやっていますが、システムで管理できれば区間移動して別の区に行ったりしたときも情報が分かるようになると思います。
標準化に当たって、どこの区でも分かるように管理できればそれが一番いいとは思います。よろしくお願いします。
大山 だいぶ時間も過ぎてまいりました。もし差し支えなければ、あと一つくらい何かご質問があれば。いかがでしょう。この際、最後に聞いておきたいことがあれば、ぜひ。
(神)林 しばらくは、直接お会いすることも難しい状況の中で、今後も、こういう機会を利用してそれぞれの市で変化してきていることをお聞きできる意見交換会を年に何回かできたらいいのにと思います。前もっての議題を決めなくても、そのとき聞きたいことを意見交換できたらと思います。いかがでしょうか。
(阪)西村 私は5都市の皆さんとはお電話で話す機会があっても、お顔を合わせる機会がなかったため、近くにいるはずなのに遠い存在でした。今回このような機会を作っていただきましたし、第2回についても開催できればいいなと思います。
(神)林 ぜひとも大阪市さんに機会をつくってもらって、第2回の意見交換をしましょう。
(阪)西村 分かりました。
一同 よろしくお願いします。
大山 ありがとうございました。これを機会に、ぜひ仲間同士の会議をしていただければと。必要に応じて年金広報でも取材させていただきたいと思いますので、またよろしくお願いします。
佐々木 本日はありがとうございました。皆さま方の意見交換の場で、われわれがきっかけになれたことだと思います。私たちも仲間に入れていただければ大変ありがたいです。
当NPO法人も設立してもう8年目になります。市町村の担当の皆さま方のセミナーも毎年開いてきました。第1回目は平成25年度で、名古屋市で市町村の皆さま方に集まっていただいて開催しました。コロナで2年ほど開催できていませんが、また落ち着いたらやりたいと思っていますので、どうぞ皆さま方にもご協力のほどお願いします。新型コロナウイルスのことでまだまだ大変なことと思います。また、これから季節の変わり目になりますので、ぜひぜひご自愛いただいて、ご活躍をいただければと思います。本日はありがとうございました。